「企業が稼ぐ収益の80%は、20%の得意客によってもたらされる」これはパレードの法則(80:20の法則)として知られている商売の黄金律。確かにどんな商売でも上位の優良顧客が売上の大きなウエイトを占めているのは事実である。そこで重要になるのが“優良顧客”の位置付けだが、これを“常連客”と混同してしまうと、やや厄介なことになる。 常連客というのは、いつも同じ店に集まっている馴染みの客を指しているが、飲食店で常連客が増えると、売上がそれ以上に伸びないというジンクスがある。いつでも常連客がカウンターで賑やかに店長と盛り上がっている店というのは、新規の客にとっては入りづらい雰囲気があるのを経験したことがある人は多いだろう。店にとって常連さんは大切な得意客であることは間違いないが、あまり彼らとばかり仲良くしてしまうと、本当の優良客を逃してしまうことがある。常連はいつも賑やかで目立つために、店は繁盛しているように傍目からは映るが、それ以外の客が踏み込めない空気を作ってしまうために、売上面からみると逆効果になっているケースがよく見受けられる。 その一方で、売上に貢献する本当の優良客というのは、店員と会話を交わすことはほとんどなく、店内での滞在時間も短いが、長年にわたって定期的に通い続けてくれる地味な客であることが多い。常連のように調子の良い挨拶はしないが、本当にその店の料理が気に入っているから通い続けてくれるのだ。そんな無言のメッセージを敏感に受け止めて、常連客だけに振り回されずに、すべての客に対して平等に接することができる店が、真の繁盛店となれる資格を持つ。 これは飲食店のみに限らず、すべての商売に共通しているが、特にネット上のビジネスでは“顧客の顔”が見えないために、目立つ常連客ばかりを大切にして、無口で地味な優良客の存在を見失ってしまうことがよくある。